バイクの保管方法について考えてみたことはあるでしょうか?
大切な愛車を長くキレイに乗り続けるためには、乗り方やメンテナンスももちろん大切ですが、それと同じくらい保管の方法も大切です。
なぜならバイクは車と違い、エンジンをはじめ多くのパーツがほぼむき出しの状態であるため、天候はもちろんのこと、気温や湿度、風やホコリ、虫といったあらゆるものの影響を、乗っていない間も常にダイレクトに受けてしまうためです。
ここでは大切な愛車をより長持ちさせるための、バイクの正しい保管方法について紹介します。
バイクの短期保管と長期保管について
バイクの保管方法は、その保管期間の違いにより変わってくるため、ここでは大きく二種類に分けて説明していきたいと思います。
最初に通勤や通学など日常の足として使っている場合の短期間でのバイクの保管方法について、次に冬季などシーズンオフの期間、全くバイクに乗らない場合の長期間でのバイクの保管方法について紹介します。
短期間の保管方法
日常の足としてバイクを使用している場合、ただ駐輪場や空きスペースにバイクを停めるだけという人が多いと思いますが、日々乗るバイクだからこそ、可能な限り最適な状態で保管することが大切です。
ここではオススメのバイクの保管方法について説明します。
ガレージ
まずは最もバイクの保管に適した環境と言えるガレージでの保管です。
外の環境からバイクを隔離できるため、保管中にバイクを痛めるリスクはかなり低くなります。場所と費用を確保できるのであれば最高のバイク保管方法と言えるでしょう。
屋根付き駐輪場・カーポート
次にオススメなのが屋根付きの駐輪場やカーポートです。
バイクのサビに繋がる雨や、変色や退色の原因である強い日差しを防ぐことができるのが大きなメリットです。ただし、横殴りの雨や気温、湿気などその他のバイクを痛める原因となるものまで防げるわけではないので、このあと紹介する簡易車庫やバイクカバーと併用するのがオススメです。
簡易車庫
バイク用簡易シェルターなどとも呼ばれている簡易車庫は、バイクがすっぽりと入るテントのような形状をしています。
そのため前で述べた屋根付き駐輪場やカーポートよりもバイクの保管能力は優れていると言えるでしょう。ただし、軽自動車一台分程度のスペースが必要であり、簡易とは言え毎回簡単に動かせるようなものではないため、バイクを停めていない間も場所をとってしまうというデメリットもあります。
バイクカバー
最も簡易的で費用も安く抑えることができる保管方法がバイクカバーです。
バイク全体を覆うため雨風からバイクを守ることができるのはもちろん、使用しない時は小さく折り畳んでおけるという点も大きなメリットです。ただし、どうしても他の保管方法と比べると劣化が早いため定期的な買い替えが必要であったり、物によってはカバーそのものが擦れてバイクを傷付けてしまったりと注意も必要です。
レンタルバイクガレージ
近くにあることと、毎月の使用料がかかることが前提にはなってしまいますが、レンタルバイクガレージやトランクルームを使うという手もあります。自宅にスペースがない場合や複数台バイクを所有している場合でもしっかりと保管することが可能です。
長期間の保管方法
次に冬の積雪などで、シーズンオフ中はバイクに乗らないという場合や、別のバイクに乗り替えるためしばらくはそのバイクには乗らないといった場合の長期間の保管方法について説明します。
再びバイクに乗る時に、最適な状態で乗れるようにしっかりと準備をしてから保管するようにしましょう。
洗車
まず始めに洗車で蓄積した汚れを落とします。
汚れの種類によっては保管している間にゴムパーツやシール類を痛めたり、金属パーツをサビさせるものもあるため、できる限る細部までしっかりと洗い落とすようにしましょう。
また洗車後は水垢が残らないように丁寧に拭きあげることも忘れずに行ってください。
グリスアップとコーティング
愛車をキレイにした後は、洗車で洗い流した油分を補充するためチェーンをはじめワイヤー類や可動部分へのグリスアップを行います。
同時にワックス剤やコート剤でバイク全体をコーティングしましょう。バイクに艶が出てよりキレイになるだけでなく、長期間の保管からバイクを守る保護膜を全体に広げるイメージでしっかりと仕上げていきます。ただし、滑ると命に関わるためタイヤやブレーキまわりなどには塗布しないように注意してください。
ガソリンを満タンにする
次に重要なポイントはガソリンを満タンにするということです。
この理由はタンク内に空隙があると、気温の寒暖差等でタンク内に結露が生じてサビを発生させてしまうからです。ガソリンタンクを完全に空にしてしっかりと乾燥させて保管する方法もありますが、こちらはタンクをバイクから下ろすなど手間がかかるため、満タン法をオススメします。
なお、キャブ車の場合は、長期間の保管でキャブレター内に残ったガソリンがパーツを劣化させたりガム状になって管を詰まらせたりすることがあるので、こちらに関してはタンクとは逆で、ドレンボルトを緩めてガソリンを抜いておくようにしましょう。
バッテリーを外す
バイクに乗らない間にもバッテリーは自然放電してしまい、次に始動させる際にバッテリーが上がっているということもあるため、バイクから外しておきます。外す際はマイナス端子から外し、バッテリーは可能な限り温度変化の少ない安全な場所に保管するようにしましょう。
可能であれば、外している間も定期的に充電することをオススメします。
タイヤを浮かす
バイクを長期間保管する場合、どうしても地面と接しているタイヤの同じ部分にのみ常に負荷がかかってしまうため、タイヤが変形してしまうことがあります。
これを防ぐため、メンテナンススタンドでタイヤを浮かして保管するのがベストです。
もしメンテナンススタンドがない場合は、空気圧を規定値よりも少し高めに入れておくか、定期的にバイクを動かして同じ部分にのみ加重がかからないようにしましょう。
まとめ
紹介してきたように大切なバイクを長持ちさせるためには、バイクを痛める原因である外の環境からどれだけ隔離できるかがカギになります。
多くの影響をシャットアウトできるガレージが最も魅力的ではありますが、ガレージがない場合でもできる対策はたくさんあります。バイクをキレイに維持することもですが、正しい保管方法は性能の維持にも繋がります。安心安全にバイクに乗るためにも、日々の保管方法にも気をつけていくことが大切です。
またシーズンオフなどでバイクに長期間乗らない場合には、次のシーズンも快適なバイクライフを楽しむために、適切な処置を行ってから保管することをオススメします。