ニュースでも取り上げられることも多い「バイクの盗難」ですが、盗む際の手口を知っておくことで効果的な対策をすることが可能です。そこで今回は、バイクの窃盗犯が盗む際に用いる手口について分かりやすく解説していきます。盗難防止方法については他の記事で解説していますので、この記事を理解した上でそちらの方を参考にしてみてください。
窃盗グループに多い手口
では、窃盗グループがバイクをどのようにして盗むのか紹介していきます。基本的には以下の4パターンが多いです。
・鍵やチェーンを破壊、切断する
・クレーン車を使ってそのまま持ち去る
・車輪を外して盗む
・ガードレールを外す
鍵やチェーンを破壊、切断する
バイクの盗難で最も多い方法が、盗難防止用の鍵を壊したりチェーンを切断して持ち去る方法です。自転車のチェーンと違って頑丈そうなイメージはありますが、「ボルトカッター」や「ボルトクリッパ」と呼ばれる道具を使えば簡単に切ることができます。ホームセンターなどにも普通に売られているため入手しやすいです。
クレーン車を使ってそのまま持ち去る
チェーンなどは付けたまま、クレーン車を使ってバイクごと持ち去る方法です。ハンドルとホイールにスイングを通すだけで、300kgもあるバイクでも2分前後で積み込むことができます。周りの人もまさか窃盗中だとは思わないぐらい大胆な方法です。旅行などで長期的に家を空ける場合にはバイクが取り出せない場所に置くようにしましょう。
車輪を外して盗む
チェーンなどが切れない場合などは、チェーンが付いている車輪を外して本体をそのまま盗むこともあります。バイクは本体で売るよりもオークションなどでパーツ別に売った方がバレにくく高値で売れることもあるため、本体に拘っていない窃盗グループに多い方法です。
ガードレールを外す
「まさかそんな大胆なことをするわけないじゃないか!」と思われるかもしれませんが、これが意外に多いのです。他の方法と比べて数は少ないものの「ガードレールに付けておけば安心!」と思っていると被害に遭うことも珍しくありません。
窃盗犯が盗みやすい環境や心理を知ろう
窃盗犯やグループは何も考えずに盗むわけではありません。盗みやすい環境だったり理由があるから狙われるのです。そのため、まずは窃盗犯の心理を理解することが盗難対策に繋がります。
・盗みやすい環境
・盗みやすい場所
・盗まれやすい車種
盗みやすい環境
窃盗犯は以下のような時間帯や環境を狙っています。
①天気が雨・・・音を消してくれる。外に出る機会が少ない。
②季節が冬・・・日が落ちるスピードが早く、姿を見られにくい。
③曜日が日曜日・・・次の日が仕事や学校のため夕方以降は人通りが少ない
④時間帯が24~深夜4時・・・人通りが少なく作業しやすい
盗まれやすい場所
盗みやすい環境があったとしてもプロは場所もしっかりと確認しています。約半数が駐車場や駐輪場です。それに続いて道路となっています。そのため、自宅駐車場が最も盗まれやすく注意すべき場所と言えるのです。
盗まれやすい車種
窃盗犯はプロだけではありません。少年犯罪としても検挙されることが多いです。実は、窃盗犯の種類によって狙われやすい車種というものがあります。
①少年~青年・・・原付が多い。バイク盗難で最も捕まりやすいのがここ。
②中年・・・昔から人気の旧車を狙いやすい。パーツとして売ることも多く、盗むための道具も豊富。
③プロ・・・価格が100万円を超えるものはすべて狙われやすい。ほぼ捕まることもなければバイクが返ってくることもない
NGな盗難対策
前述したような手口で窃盗されないように、所有者も様々な対策をすると思います。ここからは、対策として不十分なものを簡単に解説していきます。これらの対策を過信しすぎるのはやめましょう。
・防犯カメラ
・GPS
・イモビライザー
防犯カメラ
窃盗を防ぐために最もポピュラーなアイテムなのが「防犯カメラ」です。大きな効果があると思われがちですが、プロの窃盗グループに対しては期待できません。カメラの死角で顔が映らないように盗む人もいれば、マスクなどをして顔の特定を防ぐ人もいます。少し警戒するな…くらいの効果しかないと過信しすぎないようにしましょう。
GPS
バイク用にGPSを取り付けることで、衛星から場所を探れるようになります。しかし、GPSというのは簡単に取り外すことが可能です。それに加えて、GPSは電波が発信していないと居場所を検索することができません。何かしらの方法で電波が出ないようにされれば見つけることは不可能です。転売先も海外が多いということで、日本の警察が動ける範囲にも限界があります。
イモビライザー
イモビライザーとは、トランスポンダと言われるICチップが埋め込まれたキーのことを指します。チップのIDと車体のIDが一致しない限りエンジンがかからないため、防犯装置として一定以上の効果があります。しかし、バイクを盗む際にエンジンをかける必要はありません。鍵自体もすぐに壊せるため、イモビライザーを導入しているから安心というわけではないのです。
まとめ
今回の記事をまとめると以下のようになります。
・鍵やチェーンを壊すのは非常に簡単なので安心できない
・防犯対策は窃盗犯の心理を知ることが大事
・安心だと思っていた盗難対策は意外と効果なし
プロになるとバイクの窃盗は比較的簡単です。環境と場所さえ合致すれば狙われる可能性が非常に高い上に、一度盗まれたら返ってくることはほとんどありません。大事なことは、盗まれないようにちゃんとした情報と対策を行うことです。とくに今はコロナの影響で外に出ることも少なくなっているので注意しましょう。
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