せっかくの楽しいバイクライフもバイクが故障してしまい走行できなくなってしまうと台無しです。またツーリング中など、走行途中に突然故障してしまうケースもあり得ます。
中にはちょっとしたことで復旧する場合や、日頃から少し注意しておけば防げるものもあるため、万が一に備えての知識として故障についても知っておくことが大切です。
そこで本記事ではバイクの様々な症状について触れ、その対処法についてご紹介したいと思います。
エンジンがかからない(エンストする)
まずは最も大事なエンジンについてです。よくあるのがエンジンがかからない、エンジンはかかるがすぐにエンストするといった症状です。ここではその故障の原因としてよくある6点について詳しく見ていきましょう。
キルスイッチ
エンジンがかからないという場合に意外とよくあるのが、キルスイッチです。元々は緊急時に手元ですぐにエンジンが切れるように装備されていますが、普段使うことがないため何かのきっかけで切れていても気付かない場合があります。
キーがオンになっていてもエンジンがかからない場合には、まずキルスイッチがオンになっていないか確認しましょう。
バッテリー
バッテリーが上がるとセルが回らないためエンジンをかけることができません。
続くようであればバッテリーそのものが弱っている可能性が高いので交換が必要です。
車種によってはセルが使えなくてもキックでエンジン始動ができますが、万が一の場合に備えて押しがけも練習しておくとよいでしょう。
スパークプラグ
スパークプラグに異常があると爆発のきっかけとなる火花が飛ばないため、エンジンがかかりません。電極が消耗していたり、カーボンによりプラグがかぶっていることが原因の場合が多いですが、中には走行中の振動などでプラグそのものが脱落してしまったというケースもあります。
プラグ自体は指一本程度のパーツなので、予備をシート下などに入れておくと安心でしょう。
ガス欠
比較的新しいバイクにはガソリンメーターがあるため、あまり起こりませんが中にはこれらの計器類の故障によりガス欠でエンジンがかからないという場合もあります。目視やバイクを揺らし、ガソリンが入っているか音がするかなど確認してみましょう。また日頃からキーオン時の動作を確認しておき異常がないかをチェックする癖をつけておくようにしましょう。
水の混入
大雨やタンク内の結露によりガソリンに水が混入しエンジンがかからない場合があります。
タンク内にたまった水を捨てるか、水抜き剤を使う必要がありますが、確認が難しいため可能性として考えられる場合にはバイク店で状況を説明してプロに判断してもらうようにしましょう。
キャブレターの異常
古いバイクの場合はインジェクションではなくキャブレターが採用されています。
キャブレターの場合は燃料コックをリザーブに切り替えるとエンジンがかかる場合があるため、まず確認するとよいでしょう。ガス欠でもなくエンジンがかからない場合はキャブレター内が固着してフロートがうまく機能していなかったり、ニードルが詰まっていたりすることもあるためオーバーホールが必要な場合もあります。
スピードが出ない
エンジンはかかるが、走行中に加速せずスピードが出ないというような症状が見られた場合は以下の3点をまずチェックしてみましょう。
チェーン
エンジンの回転をタイヤに伝えるチェーンが伸びきっていると空転して思ったように速度が出ません。最悪の場合、チェーンが外れてしまうこともあります。
チェーンは消耗品であり、走れば走るほど伸びていくため定期的な調整が必要です。また張りすぎても切れてしまうため車体に貼られたステッカー等に記載されている適正なたわみをキープするように日々チェックするとよいでしょう。
スプロケット
スプロケットはエンジン側と後輪側の2つがありますが、こちらもチェーン同様に消耗品であり少しずつ削れていき最終的には先が尖ってきます。そうなってくるとチェーンとの噛み合わせが悪くなり、動力がうまく伝わらず加速しないという症状が現れます。チェーンを交換する際にはスプロケットの交換も必要かどうかしっかりと判断しましょう。
アクセルワイヤー
アクセルワイヤーが劣化するとたわみができ遊びが多くなることがあります。
そうなると、アクセルをひねっているのにうまく加速しないという状態になります。こちらも定期的に遊びを調整するようにしましょう。またワイヤーインジェクターのような注油用の工具を使ってしっかりとグリスアップすれば劣化を防げるだけでなくスムーズなアクセル操作に繋がります。
その他
この他にも起こりやすい症状を最後に3点ご紹介します。
ハンドルのブレ
ハンドルのブレは大きな事故の原因に繋がりかねません。
ブレの原因にはタイヤの空気圧、ベアリングの劣化、フロントフォークの曲がりなど多くの原因が考えられます。このような症状が出た場合は、すぐにプロによる確認をオススメします。
ブレーキの効きが悪い
ブレーキの効きが悪くなる原因で多いのが、ブレーキパッドの摩耗です。
頻繁に行う必要はありませんが、パッドの厚みが十分に残っているかは時々確認するとよいでしょう。摩耗したブレーキパッドを使い続けるとローターにも損傷を与えてしまい、かえって費用もかかるため余裕を持った交換を心がけましょう。
焦げ臭い
エンジンがかかっていると、エンジンそのものはもちろんマフラーなども高温になります。
ここに風で飛ばされてきたビニールなどがつくと溶けて異臭がする場合があります。焦げ臭いと感じた際にはまず高温になっている部分をチェックしましょう。中にはオイルが漏れていたという場合もあるため原因がわかるまでむやみに走行しないようにしましょう。
まとめ
バイクで起こりやすい故障についてご紹介しました。
常にいい状態でバイクに乗り続けられることが一番ですが、そのためにはしっかりとしたメンテナンスが必要です。
特に車検のないバイクなどは自分でしっかりと整備をするか、定期的にプロに見てもらうとよいでしょう。
自分でメンテナンスができない場合でも、日常的に計器類や消耗品類をチェックしておくことで故障を未然に防ぐこともできるため、今回ご紹介したような症状が見られないか確認してみることをオススメします。