免許を取って最初のバイクを買う際や、新しいバイクに乗り換えようとしている時間はある意味ライダーにとって最もワクワクする瞬間ではないでしょうか?
もちろん新車を購入するのであれば、単純にどのバイクにするかを選べばいいだけですが、状態にバラつきのある中古バイクを購入する場合は、ただ車種を決めてしまえばいいというわけにはいきません。
買ってから後悔したなどいう事態にならないためにも、ここでは中古バイクを購入する際の注意点についてまとめてみました。
現車確認は必須
ショップで購入する場合でも、個人売買で購入する場合でも現車確認は確実に行うようにしましょう。今はインターネットで画像が見れてしまうので、どうしてもキレイな画像が並んでいると問題ないと思ってしまいがちですが、実物を見なければ分からないことはたくさんあります。
また、実際に車両を確認して気に入らなければ購入しなくても構わないというショップもあれば、取り寄せた分の手間賃を請求してくるショップもあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。個人売買においては特に現車確認は必須と言えます。
中にはバイクの知識がないため、見てもよくわからないという人もいるとは思いますが、それでも現車を見ておくことはとても大切なことです。車と比べ自己満足的な要素の強い乗り物であるバイクだからこそ、自分で見て直感的によし悪しを判断することも大変重要なポイントです。
価格だけで判断しない
よくありがちなのが価格で判断するというパターンです。
もちろん予算もあるでしょうから、なるべく安いに越したことがないのは事実です。しかし、安い中古バイクには安いなりの理由がある場合がほとんどです。
検索すれば自分が欲しいと思う車種のだいたいの相場は分かります。それよりも極端に安い場合はいくら見た目はキレイでも事故車である可能性は高いと思った方がいいでしょう。しかし、逆に相場より高いからと言って安心して購入していいというものでもありません。
なぜその値段なのか、疑問に思うことは売り手に細かく確認し、納得できる回答が得られない場合には見送った方がいいでしょう。
信頼できるところから購入する
これも気をつけてほしいことですが、大手のバイクショップだから安心というわけではありません。特に全国に支店を持つようなショップの場合、遠方の支店にあるバイクの状態を店員からの説明だけで信用して購入してしまい失敗したという例もあります。
逆に個人売買であっても、しっかりと整備して大切に乗ってあったバイクであれば大手ショップで買うよりもお得に購入することも可能でしょう。
次の章で細かなチェック項目について説明していきますが、店員や売り主はしっかりとバイクの状態を詳細に説明してくれるか、不具合があった際の保証はあるか、アフターの体制は整っているかなど判断材料はたくさんあります。
個人のバイクショップ等であっても、今は口コミによる評価が見れることもありますし、一度訪れて店内の雰囲気や道具を大切に扱っているかなどから、ショップ自体のチェックを行うことも大変重要です。
どこから購入するにせよ、本当に信頼できる店、人であるかを判断することは中古バイクそのもののチェックと同じくらい大切なポイントになります。
基本的なチェック項目
中古バイクを選定する上でチェックすべき項目は数多くありますが、ここからは専門的な知識がほとんどなくてもできる基本的なチェック項目について具体的に説明していきます。
走行距離
中古バイクを選ぶ際にまずチェックするのが走行距離だと思います。
どうしても少ない方がいいと判断しがちですが、バイクはたまに乗るより毎日乗った方が調子がいいとも言われるものなので、走行距離の少ないものよりも、年式に合った適度な走行距離のものを選んだ方が状態がいいということは多々あります。
また数字で表示されており、分かりやすい指標ではありますが、そもそもメーターは素人でも簡単に交換できてしまうものなので、あまり信用しすぎず次に紹介するエンジンの状態と併せて参考程度にするのがよいでしょう。
エンジン
エンジンについては、まずオイル漏れがないかを確認しましょう。
これに加えて始動時に寒い時期でもないのに毎回チョークを引かなければならなかったり、異音があったり、アイドリングが安定しなかったりなどの症状がある場合は注意が必要です。
もしも、エンジンチェックそのものを拒否されるような場合は、バイクどころか、そのバイクショップ(個人の場合は売り主)自体、信用しない方がいいと言えるでしょう。
フレーム
フレームに関してもエンジンと同じくらい大変重要な部分になります。
まず歪みがないことが大前提です。基本、バイクは左右対称なので各パーツ間の隙間が均等か様々な角度から確認するようにしましょう。
またステアリングを左右に切ってみて、手にがたつきが伝わる場合はベアリングが劣化している可能性が高いです。さらに左右のハンドルが最大に切れる位置が異なっていたり、ハンドルストッパーに再溶接の跡が見られるような場合は事故車である可能性が非常に高いです。
ショップの場合はほぼないとは思いますが、特に個人売買の場合はフレームに刻印されている車体番号がしっかり読めるかも確認するようにしましょう。意図的に読めなくするように傷が付いている場合などは盗難車の可能性もあるためです。
フロントフォーク
バイクに実際に跨ってブレーキを握り、フロントフォークを沈み込ませオイル滲みがないかを確認します。またインナーパイプに点サビができている場合は、オイルシールを交換してもまたすぐに傷つきオイル漏れが発生してしまうので、購入前にしっかりと整備してもらうようにしましょう。
なお、フロントフォークに関しても事故で曲がりやすい部分なので正面や左右、上から曲がりがないかをチェックします。オイル滲みと違い、曲がっている場合はフロントフォークそのものの交換になるので注意が必要です。
ブレーキ
ブレーキ関連については交換でどうにでもなるので中古バイクを購入する際のチェック項目としては上述したものほど重要ではありませんが、制動装置は命に直結する部分なので、買ったあとすぐに交換が必要とならないようにブレーキパッドやブレーキローターの減り具合はしっかりとチェックしましょう。
減りが目立つ場合は、新品交換を値引き代わりにお願いしてみるのも一つの手です。
事故歴・修理歴
これは当たり前のことですが、事故歴・修理歴を明らかにしてくれない場合は論外です。
ただし、バイクでよくある立ちゴケなどは事故ではないので、傷があるからと言って即敬遠する必要はないでしょう。むしろ、見た目だけキレイに取り繕っている事故車よりも、フレームやエンジン等にはなんの問題もない立ちゴケ痕のあるバイクの方が状態としてはいいというケースも十分にあるためです。
その他
この他にも、タンク内にサビが見られないか、バッテリーの状態はどうか、タイヤの溝は十分にあるかなど、チェック部分はいくつもありますが、基本的に消耗品系のある程度の劣化は中古バイクの場合は仕方ないと割り切ることも大切です。
購入後に自分で交換できるものもたくさんあるので、交換に高額な費用が発生する部分を優先的にチェックするとよいでしょう。
また、ある程度知識がないとわからないようなものもあるため、もし知り合いに詳しい方がいる場合は一緒に現車確認をしてもらうこともオススメします。
まとめ
せっかくお気に入りのバイクを見つけても、状態の悪い中古バイクを掴まされたのでは、楽しみにしていたバイクライフが台無しになってしまいます。
これから中古バイクを購入しようと考えている方は、車種に関する知識だけでなく、その選定方法についても自分なりに学ぶことが大切です。
きっと自分に合ったバイクに出会える一助となってくれることでしょう。