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車庫飛ばしとは?車庫飛ばしが行われる理由や罰則を解説

車を新しく所有する場合、その駐車場の場所を証明する「車庫証明」を取得しなければいけません。

しかし、虚偽の申請で車庫証明を取得する「車庫飛ばし」と呼ばれる犯罪行為が問題となっています。

今回は、この車庫飛ばしとは一体どんな行為なのか、なぜ車庫飛ばしが行われるのかなどを解説していきます。

車庫飛ばしとは

「車庫飛ばし」とは、虚偽の申請によって車庫証明を取得し自動車を登録する行為のことです。

車を所有する際には「車庫証明」の取得が必要です。

車庫証明とは車を保管する駐車場を証明する書類のことで、車両の保管場所は「本拠の位置(自宅など)から2キロメートルを超えてはいけない」と法律で規定されています。

この規定を守らず、2キロメートルを超えた場所で車庫証明を取得したり、申請の内容を偽って車庫証明を取得したりする行為が「車庫飛ばし」であり、れっきとした犯罪行為のひとつです。

車庫飛ばしの流れ

車庫飛ばしは以下のような手順で行われます。

①自宅から2キロメートルを超えた、車庫証明を取得したい土地に住民票を移す。もしくは、その土地に住んでいる人の名義を借りる。

②警察署で車庫証明を取得する。

③取得した車庫証明で車を登録する。登録完了後、住民票や名義をもとに戻す。

車庫証明は基本的に車の登録時にしか使われません。

そのため、登録時のみ書類上で偽装ができれば、犯罪行為でありながらも誰でも簡単に車庫飛ばしができてしまうのが現状です。

車庫飛ばしが行われる理由

そもそも、なぜ車庫飛ばしが行われているのでしょうか。

車庫飛ばしが行われる代表的な3つの理由を紹介します。

駐車場代を安くするため

自宅が都市部にある場合は、駐車場代も高額になりやすいです。そのため、都心部から離れた安い駐車場を利用するために、自宅から2キロメートルを超えた遠い場所で車庫証明を取得するケースが考えられます。

また、都内で車庫証明を取得し、実際には都心部から少し離れた郊外に駐車するケースもありますが、もちろんこれも違法行為です。

自治体のディーゼル規制を逃れるため

東京都や神奈川県など、一部の地域では「ディーゼル車規制条例」が規定されています。

これは、環境規制に適合しないディーゼル自動車については対象地域内の運行を禁止するものです。

この規制から逃れるために、ディーゼル規制のかからない地域で車庫証明を取得するケースがみられます。

ほかの地域のナンバープレートを取得するため

たとえば「品川ナンバーが欲しい」と考え、品川ナンバーの管轄地域に駐車場を借りて住民票も一時的に移し、車庫証明取得後に元の場所に戻せば誰でも品川ナンバーを取ることができます。

近年では名産品や景勝地などがデザインされた「ご当地ナンバー」も出てきており、ほかの地域のナンバープレートをつけたいと考える人は少なくありません。

意図せず車庫飛ばしを行ってしまう2つのタイミング

ここまでは故意に車庫飛ばしを行うケースを紹介してきましたが、本人の自覚なく車庫飛ばしに該当している場合もあるので注意が必要です。

ここでは、意図せず車庫飛ばしを行ってしまう2つのタイミングについて紹介します。

引っ越しをしたとき

引っ越しをすれば車の使用本拠地も変わるため、陸運支局に届けを出してナンバーを変える必要があります。

しかし、この手続きを行わずに引っ越し前の地域名のままにしている人も多く、これも車庫飛ばしに該当してしまいます。

引っ越しをした場合は住民票を移すだけでなく、車検証に記載された住所の変更手続きも忘れずに行いましょう。

親族間で車を譲り渡したとき

親族間で車を譲渡した際、名義を変更せずにそのまま乗り続けることも少なくありません。

このとき、車を譲った親族が遠方に住んでいる場合は管轄の陸運局が変わるため、車のナンバーも変更しなければなりません。

先ほど説明した引っ越しのケースと同様に、親族間で車を譲り渡したときも車検証の住所の更新はしっかりと行ってください。

車庫飛ばしの罰則

車庫飛ばしが発覚した際の罰則について確認しておきましょう。

「車庫飛ばしが故意に行われた」と認められた場合は「刑法第157条公正証書原本不実記載等」の罪に該当し、以下の罰則を受けることになります。

 

違反の種類 罰則
虚偽の保管場所証明申請 20万円以下の罰金
保管場所の不届け・虚偽届出 10万円以下の罰金
道路の車庫代わり使用 3か月以下の懲役または20万円以下の罰金

違反点数3点

道路における長時間駐車 20万円以下の罰金

違反点数2点

 

こちらの表のとおり、道路を車庫代わりに使用したり、道路に長時間駐車をしたりすると罰金に加えて違反点数も加算されてしまいます。

故意ではなく「単なる住所変更忘れ」などの場合はいきなり処罰されることは少ないようですが、違反行為には変わりませんので十分に注意してください。

まとめ

今回は車庫飛ばしについて解説しました。

本記事で説明したように、本人の自覚なく車庫飛ばしを行っているケースも少なくありません。

「うっかり犯罪行為をしていた…」といったことがないように、必要な申請は忘れずに行うようにしていきましょう。

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