実はバイクにも車と同様に冬用のタイヤが存在することはご存知でしょうか?
二輪の場合はどうしても転倒のリスクが格段にあがるため、冬用タイヤが必要な路面状態でバイクに乗るという方は少ないかもしれません。
しかし、仕事や限られた交通手段の中でどうしても雪道でもバイクに乗らなければならないという方のために、今回はバイク用の冬用タイヤについてご紹介したいと思います。
バイク用の冬用タイヤとは?
冬場、特に雪が降っているような状況だとバイクで通常通り走るのはかなり困難で、スリップにより転倒する危険性が極めて高いと言えます。
まずはなぜ冬用タイヤが必要なのかと、どういったものが存在するのか、またどういった点に注意すべきなのかについて簡単に解説いたします。
気温が下がるとタイヤのグリップ力は落ちる!
そもそもなぜ冬用タイヤが必要なのかというと、通常のタイヤは気温が下がるとゴムが固くなりグリップ力が落ちることが最大の理由です。グリップ力が落ちれば当然摩擦力は減り、スリップの可能性が高まります。そこで低温でもグリップ力を発揮するようノーマルタイヤよりも柔らかいゴムを使用しているのがいわゆるスタッドレスタイヤと呼ばれるものになります。
バイクにも冬用タイヤは存在する!
冒頭から述べていますが、バイクにも冬用タイヤは存在します。車と比べ圧倒的に使用する人が少ないためあまり知られてはいませんが、車と同様にスタッドレスタイヤ(バイクの場合はスノータイヤと呼ぶことが一般的)も、タイヤチェーンも存在します。詳しくは後ほどご紹介しますが、これらに加えてスパイクタイヤというものもあります。
ただしこれらを使用したからと言って雪道でも安全にバイクで走行できるという代物ではないということだけは忘れてはいけません。
冬用タイヤの注意点
いくら冬用のタイヤを履いたからといって、乾いた路面を走るような走行をしては転倒はほぼ避けられません。それは4本のタイヤを履いている車ですらスリップすることを考えれば容易に想像がつくと思います。では、どういった点に注意すればいいかというと、まずは「急ブレーキ」「急ハンドル」「急加速」いった急のつく運転をしないことです。
なるべくスピードは出さずエンジンブレーキを多用し、ロックのかかりやすいフロントブレーキではなく極力リアブレーキを使用するように意識することも大切です。
バイクにおける雪道走行について
続いては、バイクで雪道を走行する場合の対策について具体的にいくつかご紹介します。順番に見ていきましょう。
可能な限り乗らないことが一番!
それを言ったらおしまいよと言われてしまいそうですが、やはり最初に伝えておくべきことが「できるだけ乗らない」ということです。次以降ご紹介するものを使用すれば雪道走行も確かに可能ではありますが、危険性は大きく減るとは言い切れないのが事実です。どうしてもバイクに乗らなければならないという事情がない限り、むやみに雪道でバイクに乗ることはやめるに越したことはありません。
タイヤチェーン
こちらも車と同様、バイク用タイヤにも取り付けられるタイヤチェーンが売られています。雪国などで郵便配達用のバイクに使用されているイメージもあるかもしれません。メリットとしては通常のタイヤに装着するだけで使えるという点ですが、摩耗でチェーンが切れたり、それが原因でバイクの車体に傷がついてしまう恐れもあります。適合サイズをしっかりと調べ取り付けも慎重に行いましょう。
スパイクタイヤ
スパイクタイヤとはタイヤに鋲が打ってあるタイヤのことです。
スノータイヤに比べ凍結した路面でも鋲が食い込むためしっかりとしたグリップ力を発揮してくれるのが最大の魅力ですが、路面を傷つける恐れが高いことから原則公道では使用が禁止されています。排気量や地域によっては使用できることもあるようなので、使用を検討する場合は事前にしっかりと調べてからがよいでしょう。
空気圧を下げる
オフロードにおける悪路走行法としても使用されるものですが、タイヤと地面との接地面を増やすためにタイヤの空気圧を下げるというテクニックもあります。しかし、これはノーマルタイヤで行ってもほとんど意味をなさないため、あくまでもスノータイヤを履いた上での手法といえます。なお、空気圧を下げたままアスファルト面を走行するとタイヤの寿命を短くするだけでなく、ホイールにまで傷や歪みができる原因にもなるので注意しましょう。
まとめ
冬場に雪が降ったり、路面凍結するような場所では原則、バイクに乗ることは大変危険ですが、どうしても乗らなければならないという方は今回ご紹介したスノータイヤやタイヤチェーンを使用するようにしましょう。
しかし、いくらスノータイヤやチェーンを装着してると言っても雪道でのスリップは予測が難しく、テクニックのあるライダーでさえ転倒することがあります。雪道を走行しなければならない際には、事前にしっかりとした対策をした上で走行するようにしましょう。